夢を見た
昨晩、夢を見た。
1人の女性が、様々なエピソードの中で一貫して登場する。
その女性は、浜辺で踊っている。
少しふっくらとしていて、肌が浅黒くて、底抜けに明るい。
そして何より、優しい。人を疑わない。
その人は南の国出身で、ダンスが上手い。
その国は、日本とは風習が違うので、
少し戸惑いながらも、夢の中で私は、
彼女の魅力に惹かれていく。
彼女の国では、大切な人が死ぬとき、
真っ白な浜辺に連れて行って、死が訪れるまで共に過ごす。
その人が真っ赤な血を吐き出しても、それを白い砂が隠して飲み込んで、
何事もなかったかのように、穏やかな砂地となる。
白い浜辺で2人は寄り添って、最後の時を過ごすのだ。
その人が死んだら、その身が土になるまで、砂が優しく覆って、
白い骨になったら、それは大地へと帰っていく。
だから、お墓とかお葬式などは必要なく、ただ死ぬことは、
その砂地へと還っていく、それだけのことなのだった。